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不妊症Q&A
子宮内膜症について

Q66 子宮内膜症とは、どのような病気ですか?

子宮内膜は卵巣からのホルモンの影響で肥厚しますが、妊娠しないと剥離し、月経となって体外へ排出されます.この子宮内膜が正規の子宮内腔になく、骨盤の腹膜や子宮筋層内、卵巣などの中に入り込んでいる場合を子宮内膜症と呼びます.

月経となっても組織の中に出血するため月経痛が強く、性交通を訴えるかたもいます.一般のかたには5-10%の頻度でみられるのに対し、不妊症では20-30%にみられ、不妊の原因のひとつと考えられています.

Q67 どうして子宮内膜症になるのですか?

原因はまだよくわかっていません.

なぜ子宮内膜組織が正規の場所から離れた組織に存在するのか、不思議なことです.
70年ほど前、子宮内膜症は月経血の逆流によって起こる、ということが示唆されました.、女性は、通常の月経時、月経血と子宮内膜細胞の一部は卵管を通って腹腔内にも流れ込みます.子宮内膜症の女性では、この子宮内膜細胞が子宮の外に生着してしまうのです.実際、月経期の女性の腹水から採った子宮内膜組織は、培養して増殖させることができます.
また、子宮内膜症はリンパや血液の流れに乗って子宮内膜組織が運ばれることにより、離れた組織でも発生するのではないかとも考えられています.卵巣のチョコレート嚢腫も、このリンパ行性の播種により説明することができます.外陰部や、肺にできることもあります.
もうひとつの説として、子宮内膜症は体腔上皮が子宮内膜組織に化生することによっても起こる、というものがあります.簡単にいえば、普通のからだの細胞が、子宮内膜細胞に似たような細胞に変化する、ということです.実際に、子宮内膜症は初潮前の小児にみられることがありますし、またエストロゲンの大量投与をうけた男性にもみられることがあります.

Q68 子宮内膜症になると、どうして不妊になるのですか?
子宮内膜症の昔からの分類で、Beechm分類というものがあります.第一期(微小病変)、第二期(軽症)、第三期(中等症)、第四期(重症)の大きく4期に分けられています.病状が進むに従い、卵管と卵巣、腸管がお互いに癒着するようになり、卵巣からの卵子の放出や卵管采からの卵子の取り込み、卵管内の受精卵の移動などが妨げられるようになります.
Q69 子宮内膜症の治療はどのように行うのですか?

病状の程度により、治療法を選択します.

第一期、第二期ではまず薬物療法を考えますが、それ以上になると薬物療法プラス手術(開腹術、腹腔鏡下での癒着剥離)を考えます.卵管采が正常と思われるチョコレート嚢腫の場合は、経膣超音波ガイド下の穿刺・吸引・アルコール固定を行います.

Q70 子宮内膜症の薬物療法はどのように行うのですか?
GnRHアナログ(スプレキュア、ナサニール、リュープリン)やダナゾールと呼ばれる薬を4-6ヶ月使用し、月経と排卵を抑えて子宮内膜細胞を委縮させます.
GnRHアナログは、脳下垂体に作用し、視床下部から分泌されるGnRHに対する感受性を低下させることにより、脳下垂体からのFSHやLHを抑えて、卵胞の発育や排卵をとめるものです.副作用としては、更年期障害様の症状(のぼせ、動悸、肩こり、頭痛など)が現れることがあります.
ダナゾールは経口剤ですが、男性ホルモンの親戚で、GnRHの放出抑制、卵巣の性ステロイドの産生抑制、性ステロイドの代謝促進、子宮内膜への直接委縮作用があります.副作用としては体重増加、肝機能異常、血液濃縮による血栓症、悪心、血性の膣分泌物、脱毛、吹き出物、のぼせ、声がかすれる、などがあります.副作用の頻度はGnRHアナログより多いようです.

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