| 胚盤胞培養・移植の歴史 |
通常の体外受精・胚移植では、受精後 1 日目の前核期から3 日目の 8 細胞期までに胚移植を行っています.しかし、以前から、培養期間が長いほど良好な胚を選別することができ、また子宮内膜への着床の時期(受精後
6日目以降)に胚盤胞移植をしたほうが理論的にも着床率(受精卵 1 個あたりの妊娠率)が高いだろうと考えられていました.
胚盤胞移植は、通常の体外受精で妊娠しなかった症例に1992 年頃から行われるようになりました.従来、胚盤胞まで成長させるためには共培養(他の組織や細胞と一緒に培養する技術・低酸素下の培養条件をつくるなどのメリットがある)等の技術が必要とされ、一般化はされませんでした.しかし、最近、新しい培養液の開発により、一般の施設でも胚盤胞を得ることが可能になりました.着床率は
40-50 %くらいといわれていますので、従来の 3 日目までの胚移植の約二倍以上です.
ただ、受精卵のうち、胚盤胞まで発育するのは約 40 %ちょっとであるため、採卵して複数個の受精卵を得たとしても、結局胚移植出来ない症例が
10 人のうち 4 人くらいいます.
今後は培養液・培養法の改善により胚盤胞への発育率を上げることが課題となっています. |
| 胚盤胞培養・移植の適応、長所 |
1.良好な胚を選別し、着床率を上げることができます. |
| 2.移植胚数を減らすことにより、多胎妊娠の予防になります. |
| 3.通常の体外受精で、形態良好胚を移植したにもかかわらずなかなか妊娠しない症例に行います. |
| 胚盤胞培養・移植の実際 |
受精までは従来の体外受精と同様です.受精を確認後、まず胚盤胞培養用の一番目の培養液に受精卵を移します.この培養液中で三日目まで培養します.三日目に分割を確認後、胚盤胞培養用の二番目の培養液に移します.その中で五日目まで培養し、五日目に胚盤胞になっているものを通常と同様の方法で胚移植します.着床率が高いため、移植胚数は二個までとします.
下の写真は透明帯を抜け出た hatching の状態です.

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