妊娠の成立と不妊症の原因 不妊症の検査 不妊症の治療 高度生殖医療 専門用語集
不妊症とは?

不妊症の治療

不妊症の一般的治療の手順

不妊症の治療の出発は、初診時に問診、内診等が行われます.その後基礎体温を参考に月経周期に合わせた七大基本検査をはじめとする各種基本検査を行い、不妊の原因を追及していきます.通常、これらの検査に二ヶ月かかります.妊娠しにくい原因、つまり不妊因子に対する治療が開始されます.
たとえば、排卵障害に対しては経口排卵誘発剤(クロミフェン)やさらに強力なHMG製剤の使用、ホルモン内分泌因子には高プロラクチン血症の治療としてドーパミンアゴニスト(テルロン、パーロデル)、黄体機能不全には黄体ホルモン剤の投与や排卵を促進し黄体機能を賦活する HCG の投与、甲状腺機能の異常には甲状腺機能の是正、男性因子や頚管粘液不全には良好濃縮運動精子による配偶者間人工授精、卵管因子には通薬水療法や卵管形成術・卵管周囲癒着剥離術、着床障害を起こす内膜ポリープや粘膜下筋腫の除去・子宮内膜症の治療などを行います.

原因不明不妊も存在します.

これらの不妊因子を治療しつつ、卵子と精子の出会いの場をつくる性交タイミング指導や配偶者間人工授精( AIH )を行います.
それでも妊娠しなければ、受精障害も考慮して、高度生殖医療である体外受精・胚移植を行います.

しかしながらこれらの治療の手順は個々の不妊夫婦によって、治療法の選択や期間はそれぞれ異なります.
たとえば卵管閉塞や高度乏精子症、抗精子抗体陽性例などは性交タイミング指導や AIH では妊娠は難しく、卵管の手術あるいは体外受精、顕微授精を行うことになります.
また、妊孕力(妊娠のしやすさ)は33才頃から低下し、35 才では 25 才の半分以下となります.32 才以上の患者さんは治療サイクルを早める必要があります.

不妊検査・不妊因子の治療、性交タイミング指導、AIH などの一般不妊治療で妊娠する夫婦は約 50%で、そのほとんど(90%以上)は治療開始 2 年以内に妊娠します.AIH で妊娠する夫婦は約 95%が AIH 施行の六回以内で妊娠します.それ以上 AIH を行っても妊娠する可能性は著しく低下します.
不妊期間、不妊原因、他院での治療歴、年令などを十分に考慮して、効率の良い治療法やその期間を選択する必要があります.

繰り返しますが、一般的に、性交タイミング指導でも妊娠しない場合、さらに高度な方法として AIH を行います.それでも妊娠しない場合体外受精へと治療が進んで行くことは、今や世界的に認められた考えです.

しかし、いままで述べたように、始めから AIH や体外受精、顕微授精を必要とする患者さんもいます.
それらを、次の図表に示します.

不妊症の治療(戦術・戦略)

ページの先頭へ