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| 卵巣機能をどう考える |
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佐藤孝道 |
1978年、世界ではじめて体外受精の出産例がありました。それから30年近くが経過し、この間、顕微授精が開発され、無精子症のカップルにも精巣精子を用いることによってその70%程度に出産のチャンスが訪れました。いま、我が国では毎年20,000人近い子ども達が補助生殖医療技術ARTによって出産しています。遺伝子医療も再生医療も進んできました。まさに医療技術革命と呼んでもよい進歩です。 しかし、今なおARTや再生医療の恩恵を受けることができない、その展望すら見いだし得ていない、しかも不妊原因としては最も大きい因子があります。それは「卵巣機能の低下」です。しかも、この要因は最近の結婚、妊娠、出産年齢の高齢化によってさらにウエイトが大きくなりつつあります。「卵巣機能の低下」を考える上で第一に大切なことは、この厳しい現実をきちんと把握することです。 同じ歳でも、歳より若く見えるひとも、老いて見える人もいます。健康もそうですね。では「卵巣機能」はどうでしょうか。不妊治療を受けている女性なら誰でも自分の「卵巣機能」「卵巣年齢」が気になります。その個別化は可能なのでしょうか。それが今回私のお話しする二番目のポイントです。結論だけを書きますと、ある程度個別化は可能ですが、それに頼ると判断を誤る可能性があるということです。 三番目にお話をする点は、それでは、それぞれのカップルが治療方針を決める上で「卵巣機能」をどう捉えればよいかという問題です。それには、多くの治療成績から得られたさまざまの治療法の「妊娠率」を、個々のカップルが「卵巣機能」別に評価して頂くしかありません。挙児の断念の可能性を含めて、お二人のライフプランをしっかりと構築して頂く、その上で科学的データに基づいて治療方針を考える必要があります。 ARTの到達点とそれぞれのカップルの「卵巣機能」、これを正確に把握してはじめて悔いのない不妊治療を受けることができます。そんな不妊治療を受けて頂きたい、それがこの講演でお話ししたい点です。 |
| 佐藤孝道略歴 現職:聖路加国際病院女性総合診療部(*)部長・生殖医療センター長 日本不妊カウンセリング学会理事長 *一般婦人科、女性外科、周産期科から構成されます。 職歴:東京大学産婦人科学教室講師、虎の門病院産婦人科部長など |
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