4回 公開講座を企画して

日本不妊カウンセリング学会認定
体外受精コーディネーター 浅野明恵

 この公開講座は、不妊症で悩んでいる方が望ましい生殖医療を受けられるよう、心のケアも含めた問題に取り組んでいる不妊専門医、ナース、カウンセラーなどで組織された、非営利団体の日本生殖医療研究協会、そして不妊に悩む方々への精神的サポートの充実を図るために発足した不妊カウンセリング学会が行っている啓蒙活動の一環です。全国各地で行われており、札幌においては平成12年に初めて開催されてから今年で4回目を開催する運びとなりました。皆様のご参加により、毎年好評を頂いております。これは、不妊に悩む方々の治療や心のケア、不妊を取り巻く社会現象などに対する関心の高さが伺われます。

 近年の体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は飛躍的な進歩を遂げ、現在では年間1万人以上の子どもが、高度生殖医療によって産まれています。昨年は精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書が厚生科学審議会生殖補助部会でまとめられました。そして今年は、不妊治療費に対する助成金制度が各地で整ってきております。このことは、不妊治療が社会的にも認められてきていると言えるでしょう。しかし助成金制度には地域差があり、札幌、旭川においては、いまだシステムが確立されておりません。このことについても今回の会で皆様と考えていきたいと思います。

 このような背景を受け、生殖医療は今後ますます発展するとともに、選択肢も複雑化することが考えられます。不妊に対する正しい知識を持ち、ご夫婦で納得した治療を選択していくことが大変重要になっていきます。
 今年は、心理カウンセラーによる特別講演を企画しました。不妊心理カウンセリングの中から見えてくる心の問題や、社会背景を皆様と一緒に考えることができると思います。

 第1部では治療やカウンセリング、氾濫する情報やその活用についての講演を企画し、第2部は例年同様、参加された皆様からの質問やお悩みについて講師の考えや答えを聞いてもらう時間としました。不妊に悩む方々に、一般不妊から高度生殖医療の現状を知っていただき、専門スタッフとの意見交換でセカンドオピニオン(アドバイス・参考意見)として活用していただきたいと思います。

 今後も継続的に開催し、不妊に悩む方々が後悔せず、治療の選択、自己決定ができるような情報を提供していきたいと考えております。


浅野明恵(あさのあきえ)

神谷レディースクリニック看護師長・体外受精コーディネーター
2003-2004年日本看護協会 不妊看護認定看護師教育課程修了。
2000年 日本不妊カウンセリング学会体外受精コーディネーター認定、同学会評議員。